寺山修司原作、蜷川幸雄演出「身毒丸」(1995)

2007-01-26

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作:寺山修司/岸田理生
演出:蜷川幸雄
主演:武田真治白石加代子
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寺山修司の代表作に数えられる「身毒丸
義理の母との禁断の恋の物語。原作の設定はあくまで卑猥で怪しげ。
蜷川氏演出による独特の色彩が、それを効果的に表現しています。

死んだ母を焦がれる一方で、義理の母に恋してしまうナイーブな青年、身毒丸
そんな青年を演じるには、繊細な美しさを備えた俳優が必要不可欠。
武田真治の美しさは、十分にその役目を果たしていました。
まぁ武田真治のイメージビデオ的なノリも否めないので、
こんな感想を持つのも当然といえば当然なのですが、
それを差し引いても、身毒丸のナイーブな純粋さを美しく表現していました。
まぁああいう作品なので、演技の巧拙はよく分かりませんが、
そこまで素晴らしく上手というわけでもなかったような気がします。
体の動きにちょっとキレが足りないような。

あとは、オープニングとエンディングの演出が面白かった。
舞台上方で、工事現場の掘削機の音と火花が出ていて。
舞台装置や衣装や小道具やら、金がかかってて見ごたえあり。
ただ、お芝居の中で使用される大衆演劇的演出が苦手でした。
いわゆる七五調の台詞回しとか。挿入される謡曲とか。

あんまり入り込めなかったんで、星2つ。
評価 ★★☆☆☆